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男じゃつらいよ

日記と聴いたもの、見たものたちの備忘録

2016

04/13

Wed.

19:56:46

没後100年 宮川香山(サントリー美術館) 

Category【美術館めぐり

宮川香山サントリー美術館で開催中の宮川香山の展示会に行ってきました。

宮川香山とは、真葛焼の創始者である陶芸家です。日本の陶磁器が多く欧米に輸出された明治時代に活躍しました。

香山が始めた真葛焼の大きな特徴は、器に立体的な彫刻による装飾を施す「高浮彫」という技法です。
下写真の水差しは彼の代表作のひとつですが、蓋には猫の彫刻がついています。表面の牡丹の立体的な装飾もとてもリアルです。

右写真の蟹がついた器は、写真で見たときにはグロテスクだな…と思ったのですが、実際に作品を前にしてみると、彫刻のリアルさに驚かされます。表面の質感や細部の造形、焼き物だとは思えない。

始めて香山の作品を知った時は、動物のどデカい彫刻がついてる姿に違和感を覚えてあまり自分好みではないと思ったのですが、今回見た作品はどれも、どうしたらこんなものが作れるんだ…と脱帽するような精緻な作品ばかりでした。

釉薬や装飾の図案もとても美しいものがあって、彫刻以外にも目を惹く点がたくさんありました。「釉薬秘法」という香山が開発した釉薬のレシピ帳なども展示されていましたが、長年の地道な研究によってあのような素晴しい作品をつくることができたんですね。

高浮彫を発明した背景が、当時主流だった金彩による豪華な装飾はコストがかかり、また貴重な金が海外に流出してしまうことから、金彩に代わる装飾方法として考案されたというのも、なるほどなーと思いました。
宮川香山宮川香山
金彩に代わる装飾として考案された高浮彫ですが、作品を見てわかるように、高い技術を必要とするため、習得に何年もかかる上に、とても精巧なため焼き損じも、多く生産性が悪かったようです。

そこで香山は作風を一変し、釉下彩による作品を多く手がけるようになります。
釉下彩の作品は下写真のように柔らかくて上品な雰囲気があります。金蘭手や高浮彫の作品のような豪奢さはないけれど、色合いだったり色の濃淡がとても繊細で、日本人好みな感じがします。
右の紫陽花の装飾は、花の部分を透彫りし、そこに透明釉をつめて焼いているそうです。言うのは簡単ですが、実際やるとなるとものすごい難しい技術なんだと思います。写真ではわかりにくいですが、実物は透彫りの中の釉薬がキラキラ輝いてとても綺麗です。
釉裏紅という赤色を生かした作品もすごく素敵でした。淡い赤色がとても綺麗で。特に「釉裏紅暗花柳図花瓶」という花瓶。うっすら見える程度の細い線で描かれた柳の絵の花瓶なんですけどね、すごくきれいでした。
宮川香山
想像以上にハイレベルな作品ばかりで、一緒に行った友人と「なにこれ、すごい」を連発していました。笑
世界的にも名を残した香山の作品たちですが、残念ながら4代目で廃窯となっています。現在でも香山を越える高浮彫作品を作れる陶芸家はいないと言われています。

ちなみに、今回の展示会、そんなに混んではいないだろうと予想していたのですが、かなり賑わっていました。そして、今まで行ったどの展示会よりも年齢層が高めな気がしました。20-30代はあまり見かけませんでした。笑

これまで見てきた陶磁器とはまた違う高浮彫の作品たち。陶磁器の新たな魅力を見つけることができた展示会でした。

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